糖尿病の運動療法|何を・どれくらいすればいい?
- 運動はインスリンの効きを助け、食事・薬とは別の経路で血糖コントロールを支える柱のひとつです。
- 目安は有酸素運動(早歩きなど)週150分、筋トレ週2〜3回ですが、まずは無理なく続けることが優先です。
- 食後の軽い活動やこまめな身体活動も役立ちます。生活の中に取り入れやすい形から始めましょう。
- 血糖が非常に高い時期や、合併症・薬の状況によっては、運動の強度調整が必要なことがあります。
- 始める前に体の状態を相談しておくと、安心して続けやすくなります。
糖尿病に運動がよいのはなぜですか?
運動は、筋肉での糖の利用を促し、インスリンの効きをよくする方向に働くため、血糖コントロールの助けになると考えられています。食事・薬と並ぶ、糖尿病治療の柱のひとつです。
運動には大きく2種類あります。ウォーキングなどの「有酸素運動」は、続けることでインスリンの効きやすさ(感受性)を保つ助けになるとされています。スクワットなどの「筋トレ(レジスタンス運動)」は、筋肉量を保ち、糖を取り込む受け皿を増やすことにつながります。
両方を組み合わせると、より幅広い効果が期待できると考えられています。ただし、効果の出方には個人差があり、運動だけで血糖がすべて整うわけではありません。食事や、必要な場合の薬と合わせて取り組むことが基本です。
有酸素運動と筋トレの組み合わせが基本。まずは「続けられる形」を優先し、座っている時間を減らすだけでも意味があります。
どれくらいの量を目安にすればよいですか?
一般的な目安として、有酸素運動は「週に合計150分以上」「中等度の強さ」が一つの基準とされています。筋トレは週2〜3回が目安です。これはあくまで目標であり、最初から達成する必要はありません。
中等度とは、「ややきついが、会話はできる」くらいの強さです。早歩き、自転車、水中ウォーキングなどが当てはまります。運動を続けられない日が出てもかまいません。「座っている時間を減らす」「30分ごとに少し立つ・歩く」といった工夫も、血糖の面で意味があるとされています。
食後1〜2時間ごろは血糖が上がりやすい時間帯のため、その時間に軽く歩くのもよい方法です。まとまった時間が取れない方は、10分程度の運動を分けて積み重ねる形でも構いません。続けられる形を優先しましょう。
血糖を下げる薬やインスリンを使っている方は、運動で低血糖が起こることがあります。タイミングや補食について事前に主治医とご相談ください。
運動を始める前に注意することは?
運動は基本的に勧められますが、状態によっては運動の種類や強さを調整したほうがよい場合があります。自己判断で急に強い運動を始める前に、一度主治医に相談すると安心です。
特に次のような方は、事前の確認が大切です。
- 血糖がとても高い、または不安定な方
- 目の合併症(網膜症)が進んでいる方
- 腎臓・心臓・神経の合併症が指摘されている方
- 足にしびれや傷・変形がある方
- 血糖を下げる薬やインスリンを使っている方(低血糖に注意)
薬やインスリンを使っている方は、運動によって低血糖が起こることがあります。運動のタイミングや補食について、診察で確認しておくと安全です。足の保護のため、合った靴を選び、運動前後に足の状態を見る習慣も役立ちます。
よくある質問
Q. ウォーキングと筋トレ、どちらがよいですか?
A. どちらか一方ではなく、組み合わせるのが望ましいとされています。まずは続けやすい有酸素運動から始め、無理のない範囲で筋トレを足すとよいでしょう。
Q. 運動すれば薬はやめられますか?
A. 状態によっては薬の調整につながることもありますが、自己判断での中断は危険です。必ず主治医と相談しながら進めてください。
Q. 膝や腰が痛くて歩くのがつらいです。
A. 水中ウォーキングや椅子に座ってできる運動など、負担の少ない方法があります。体の状態に合わせて選べるので、ご相談ください。
当院で相談できる内容
- 血糖の状態に合わせた運動の種類・強さの相談
- 薬・インスリン使用時の低血糖を避ける工夫
- 合併症の有無をふまえた運動の可否の確認
- 食事・運動・薬を組み合わせた全体の治療計画
- 運動はインスリンの効きを助け、血糖コントロールの柱のひとつです
- 有酸素運動は週150分、筋トレは週2〜3回が目安ですが、無理なく続けることが優先です
- 合併症や薬の状況によっては調整が必要なため、始める前に相談すると安心です
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最終更新日:2026-05-28
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