健診で尿潜血を指摘されたら|原因と再検査の考え方
- 尿潜血陽性は、尿に血液の成分が検出された状態で、目に見える血尿とは限りません。
- 運動直後・生理中・脱水などで一時的に出ることもあり、「+=すぐ病気」とは単純化できません。
- 一方で腎臓・膀胱・尿管などからの出血が背景のこともあり、再検査でくり返すかの確認が基本です。
- 痛みのない血尿こそ精密検査の対象になりうるため、「痛くないから大丈夫」と決めつけないことが大切です。
- 目で見える赤い尿・強い痛み・発熱・抗凝固薬の内服などがあれば、再検査を待たず早めに受診を。
尿潜血が陽性ってどういう意味ですか?
尿潜血が陽性とは、尿の中に血液の成分(主にヘモグロビン)が検出された状態を指します。目で見て赤い「血尿」とは限らず、見た目では分からない少量の出血を試験紙で拾っているケースが多くあります。
健診の尿検査は短い時間で行われるスクリーニングです。運動の直後・生理中・脱水・尿の濃さといった一時的な条件で陽性になることもあり、「+」がついた=すぐに病気、と単純化はできません。
一方で、本当に腎臓や膀胱・尿管などからの出血が背景にあるケースもあるため、一度の陽性で放置せず、再検査でくり返し出るかどうかを確認することが基本的な流れになります。
尿潜血の「+」はあくまでスクリーニング所見です。「すぐ病気」とも「無視してよい」とも単純化せず、再検査でくり返すかを確かめるのが基本です。
尿潜血の原因として何が考えられますか?
尿潜血の背景は幅広く、年齢や経過によって考える方向が変わります。代表的なものを並列で整理します。
- 一過性の要因:はげしい運動の後、長距離歩行、生理中の混入、発熱、脱水
- 尿路系の炎症・感染:膀胱炎、尿道炎、前立腺の炎症
- 結石:腎結石・尿管結石・膀胱結石
- 腎臓そのものの病気:糸球体腎炎、IgA腎症などの慢性腎臓病
- 腫瘍性の病気:膀胱がんなど、頻度は高くないが除外したい疾患
- 薬の影響:抗凝固薬・一部の解熱鎮痛薬など
「血が出ているなら痛みもあるはず」と思われがちですが、痛みが全くない血尿(無症候性血尿)は、かえって精密検査の対象として重要視されることがあります。「痛くないから大丈夫」とは決めつけないことが大切です。
再検査と受診はいつ・どう進めるとよいですか?
一般的な流れは、まず尿検査の再検をして「本当にくり返し出るか」を確かめ、続けて尿たんぱく・腎機能(クレアチニン・eGFR)などの血液検査、必要に応じて尿沈渣やエコー検査などへ進む形です。
目で見て赤い・茶色い尿が出た/わき腹や下腹部の強い痛みがある/排尿時の痛み・残尿感・頻尿が続く/発熱や寒気を伴う/抗凝固薬を内服している/過去にもくり返し尿潜血を指摘されている――こうした場合は再検査を待たずに相談してください。
生理中の検査だった可能性が高い、運動直後だったといった条件があれば、生活条件を整えたうえで再検査をご相談いただくのが現実的です。専門的な画像検査・内視鏡検査が必要と判断された場合は、泌尿器科や腎臓内科への紹介をご案内することもあります。
経過観察になったら何に気をつければよいですか?
くり返しの検査でも軽度の尿潜血のみが続き、たんぱく尿や腎機能低下を伴わない場合には、定期的に尿検査と血圧・腎機能をフォローする方針になることがあります。
ご自身でできることとして、水分をしっかり取り、塩分・たんぱくの極端なとり過ぎを避け、血圧を高めに放置しないという基本姿勢が、腎臓を守るうえで土台になります。
ただし、経過の途中で尿たんぱくが新たに出る、むくみが目立つ、血圧が以前より明らかに高くなる、尿の色が濃く赤茶色く変わるなどの変化が出た場合は、間隔をあけずにご相談ください。
よくある質問
Q. 一度だけ尿潜血が陽性でした。再検査は必要ですか?
A. はい、一度の陽性で病気と決まるものでも、無視してよいものでもありません。生活条件を整えたうえで尿検査を再検し、くり返すかどうかを確かめることが基本です。
Q. 痛みも見た目の異常もありませんが、本当に問題ないですか?
A. 痛みがない血尿が大事なサインになる場合もあるため、症状が無いからこそ一度きちんと確認する価値があります。診察と必要な検査でご相談ください。
Q. 生理中の検査でも尿潜血が出ますか?
A. 月経血の混入で陽性になることがあります。可能であれば生理を外したタイミングで再検査するのが現実的です。
当院で相談できる内容
- 健診で尿潜血を指摘された場合の再検査と評価
- 尿たんぱく・腎機能(eGFRなど)の血液検査
- 膀胱炎・尿路感染症が疑われる場合の初期対応
- 必要に応じた泌尿器科・腎臓内科への紹介の判断
- 尿潜血の陽性は、一過性のことも病気が背景のこともある
- 痛みがない血尿こそ、自己判断で放置しないことが大切
- 再検査・尿たんぱく・腎機能の確認が基本の流れ
- 目で見える血尿・強い痛み・発熱を伴うときは早めに受診を
関連記事・あわせて読みたい
医学監修:齊藤 優一 医師
あおぞら新横浜クリニック 院長
新横浜駅篠原口すぐ前のあおぞら新横浜クリニックで、内科・呼吸器内科・脳神経内科を中心に診療を行っています。発熱、長引く咳、生活習慣病、健康診断で指摘された異常、頭痛・めまい・しびれなど、地域のかかりつけ医として幅広い症状に対応しています。
最終更新日:2026年5月31日
健診で尿潜血を指摘された方は、
お気軽に当クリニックまでご相談ください。





