健診で肝機能異常を指摘されたら|最初に確認したいことと受診の目安

健診で肝機能異常を指摘されたら|最初に確認したいことと受診の目安

📌 この記事の要点
  • 健診の肝機能項目はAST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTPが中心で、数値の組み合わせと過去結果との比較で読みます。
  • 肝機能異常の背景には脂肪肝・飲酒・薬やサプリ・ウイルス性肝炎・胆道系など、さまざまな原因があります。
  • 「お酒を飲まないから脂肪肝ではない」と決めつけず、生活習慣・体格・服薬歴・サプリ歴を一度棚卸しすると整理しやすくなります。
  • まず確認したいのは、過去結果との変化・体重の増減・飲酒・服薬やサプリ・過去のB型C型肝炎の検査歴です。
  • 一度の軽度な異常で慌てず再検査と問診で背景を整理しますが、黄疸・濃い尿・強い倦怠感があれば早めに受診を。
「健診結果に『肝機能異常』と書かれていたのですが、お酒はそんなに飲まないのに…」というご相談を、当院でもよくお受けします。肝機能異常と一口にいっても、原因はお酒・脂肪肝・薬・ウイルスなど幅広く、AST・ALT・γ-GTPなど数値の組み合わせで方向性が見えてくることがあります。健診直後に最初に確認したいポイントを整理します。

肝機能の検査値はどう読めばよいですか?

健診でよく目にする項目は、AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTPの3つです。これらは肝臓の細胞や胆管にダメージがあると血液中に漏れ出てくる酵素で、組み合わせから原因の方向性を考えていきます。

ALTは肝細胞、ASTは肝臓のほか心臓・筋肉などにも含まれます。AST・ALTがどちらも上がっていて、ALTのほうが高いときは肝細胞そのものへのダメージ、ASTのほうが高いときはお酒や進んだ肝障害が背景にあることがある、といった具合に、数値の比からヒントが得られます。

γ-GTPは飲酒や胆道系の刺激を受けて上がりやすい項目です。「数値が高い=病気」と一律に言えるものではなく、薬・体格・体質などの影響も受けます。あくまで判断材料の一つとして扱います。

💡 ポイント
肝機能の項目は単独の数値ではなく、AST・ALT・γ-GTPの組み合わせと過去結果との比較で読みます。診察では「数値の動き方」を一緒に整理していきます。

どんな原因が考えられますか?

健診で指摘される肝機能異常の背景には、いろいろな原因があります。代表的なものを整理します。

  • 脂肪肝(非アルコール性/アルコール性):体重増加・運動不足・お酒の量と関連しやすく、最近もっとも多い原因の一つです
  • 飲酒:量だけでなく頻度・休肝日の有無も影響します
  • 薬剤性:処方薬・市販薬・サプリ・健康食品などが背景になることがあります
  • ウイルス性肝炎(B型・C型):自覚症状がないまま続いていることがあり、健診をきっかけに気づかれます
  • 自己免疫性・代謝性の肝疾患:頻度は低いものの、若い方や女性で見つかることがあります
  • 胆道系の問題:γ-GTPやALPが目立つとき、胆道の流れに関わる要因が考えられます

「お酒を飲まないから自分は脂肪肝ではない」と決めつけず、生活習慣・体格・服薬歴・サプリ歴までを一度棚卸ししていただくと、原因の整理がしやすくなります。

健診で異常を指摘されたら、まず何をしたらよいですか?

数値だけを見て不安になる前に、状況を整理することから始めます。最初に確認したいポイントは次のとおりです。

  • 過去の健診結果と比べてどう変化しているか(急に上がったのか、以前から軽度高めか)
  • 体重の増減(直近半年〜1年で増えていないか)
  • 飲酒の量・頻度・休肝日
  • 内服薬・市販薬・サプリ・プロテインなどの摂取状況
  • 健康食品やダイエット製品の使用
  • 過去のB型・C型肝炎の検査歴

これらを持参のうえで一度内科にご相談いただくと、原因の方向性をつけやすくなります。極端に高い数値の場合や、倦怠感・黄疸(皮膚や白目が黄色っぽい)・尿の色が濃いなどのサインがあるときは、早めの受診をご検討ください。

⚠️ 注意
黄疸(皮膚や白目の黄色さ)・濃い色の尿・強い倦怠感を伴う場合は様子を見ずに早めにご相談ください。

どのような検査・対応になりますか?

一般的な流れとしては、まず再度の血液検査で数値を確認し、原因を絞り込んでいきます。必要に応じて、B型・C型肝炎ウイルスの検査、腹部の超音波検査などを追加することがあります。

脂肪肝が疑われる場合は、体重・食事・運動・お酒の見直しが中心になります。「数か月単位で体重が3〜5%減ると数値が改善する方がいる」とされており、極端なダイエットでなく続けられる範囲の調整が現実的です。

進んだ肝障害や、ウイルス性肝炎・自己免疫性の病気が疑われる場合は、専門医療機関にご紹介して詳しい検査を行うことがあります。「数値が下がらないこと自体」よりも、「背景にどの病気があるか」を整理することを優先します。

よくある質問

Q. お酒をやめれば数値はすぐに下がりますか?

A. アルコールが主な原因の場合、休肝で数値が改善することはありますが、改善の幅やスピードには個人差があります。お酒以外の原因が重なっていると、止めても下がりきらないことがあります。

Q. サプリやプロテインも影響しますか?

A. 商品によっては肝臓への負担が報告されています。「健康のためにと思って続けていた」ものが原因になることがあるため、診察の際は何を飲んでいるか伝えていただくと整理がしやすくなります。

Q. 数値が少し高いだけなのに受診したほうがいいですか?

A. 一度の軽度な異常で慌てる必要はありませんが、過去結果との比較・生活背景・症状を含めて整理しておくと、その後の方針が立てやすくなります。

当院で相談できる内容

  • 健診結果の見方と再検査のご相談
  • AST・ALT・γ-GTPなど肝機能項目の再評価
  • B型・C型肝炎ウイルスの検査
  • 脂肪肝・生活習慣病の総合的な評価
  • 必要に応じた腹部超音波検査・専門医療機関へのご紹介
📋 まとめ
  • AST・ALT・γ-GTPなど肝機能項目は、数値の組み合わせから原因の方向性を考えます。
  • 健診の肝機能異常の背景には、脂肪肝・飲酒・薬・サプリ・ウイルス・胆道系などさまざまな原因があり得ます。
  • 過去結果・体重変化・飲酒・服薬・サプリの情報を整理して受診いただくとスムーズです。
  • 一度の軽度な異常で慌てず、再検査と問診で背景を整理する流れが基本になります。

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執筆:あおぞら新横浜クリニック 編集部
医学監修:齊藤 優一 医師
あおぞら新横浜クリニック 院長

新横浜駅篠原口すぐ前のあおぞら新横浜クリニックで、内科・呼吸器内科・脳神経内科を中心に診療を行っています。発熱、長引く咳、生活習慣病、健康診断で指摘された異常、頭痛・めまい・しびれなど、地域のかかりつけ医として幅広い症状に対応しています。

最終更新日:2026年5月12日

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