AST・ALTが高い原因と再検査までにできること
AST・ALTとはどんな数値?
AST・ALTは肝細胞などに含まれる酵素で、細胞が傷ついたときに血液中へ漏れ出すため、肝臓の状態を映す指標として用いられます。健診ではこの2つを並べて見るのが一般的です。
ALTは比較的肝臓に多く存在しますが、ASTは心臓や筋肉にも含まれます。そのため、ASTだけが高い場合は肝臓以外の影響も考えます。「数値が少し高い」だけで重い病気と決まるわけではなく、原因を順に絞り込むことが大切です。
数値の高さと原因の重さは必ずしも一致しません。軽度の上昇でも持続するなら一度ご相談いただく目安になります。
ALTは肝臓に特異的、ASTは肝臓以外(心臓・筋肉)にも含まれます。両者の関係から原因を推測します。
高くなる代表的な原因は?
ASTやALTが上がる背景としては、脂肪肝、ウイルス性肝炎、お酒の影響、薬の影響などがよく挙がります。年代や生活習慣によって、考えやすい原因は変わります。
- 脂肪肝:体重増加・運動不足・食生活の乱れに伴いALTが上がりやすい
- アルコール:習慣的な飲酒でASTが優位に上がりやすい
- ウイルス性肝炎:B型・C型などの感染が背景にあるケース
- 薬剤性:処方薬・市販薬・サプリメントの影響
- 筋肉由来:激しい運動・打撲のあとに一時的にAST上昇
- その他:自己免疫性肝疾患、胆道系の異常など
ご自身の生活背景や常用薬・サプリメントの内容も、診察で大切な手がかりになります。
再検査までにできることは?
数値の上昇が軽度〜中等度であれば、まずは生活面の見直しと、原因の整理が役立ちます。再検査までの数週間で意識いただきたいポイントを挙げます。
- アルコールを控える:原因がはっきりするまでは休肝日を増やす
- 急な激しい運動を避ける:直前の運動はASTを一時的に上げます
- 市販薬・サプリメントの見直し:常用しているものをメモに
- 体重・食事の振り返り:脂質・糖質の取り過ぎがないか
- 休養・睡眠:疲労や睡眠不足も体調全般に影響
「とにかく節制する」よりも、原因の手がかりが残る形で生活を整えるイメージです。再検査前日に絶食したり、極端なダイエットを行ったりするのは判断を難しくするため避けてください。
黄疸(白目や皮膚の黄ばみ)、強い倦怠感、食欲不振、濃い尿などの症状を伴う場合は、再検査を待たずに受診をご検討ください。
こんなときは早めに受診を
軽度の数値上昇であれば、再検査の指示に沿って数週間後に確認することが多いですが、次のような場合は早めの受診をおすすめします。
- AST・ALTが大きく上昇している(基準上限の数倍など)
- 黄疸、強い倦怠感、食欲不振がある
- 尿が極端に濃い、便の色が薄い
- 新しく内服やサプリメントを始めたあとに数値が上がった
- 過去にB型・C型肝炎を指摘されたことがある
これらの背景がある場合、肝炎の活動性や薬剤性肝障害などを早めに評価する必要があります。
よくある質問
Q. 数値が少し高いだけでも病院に行くべきですか?
A. 軽度であっても、原因がはっきりしないままの放置はおすすめできません。再検査の指示があれば期間内に受診し、必要に応じて追加の検査をご相談ください。
Q. お酒を急にやめれば数値はすぐ下がりますか?
A. アルコール由来であれば節酒・禁酒で改善する方もいますが、変化の出方には個人差があります。脂肪肝など他の要因が重なっていることも多いため、生活全体の見直しが大切です。
Q. サプリメントも肝臓に負担になりますか?
A. 一部の健康食品やサプリメントは肝障害の報告があります。「自然由来だから安全」とは限らないため、内容と摂取量を医師に共有してください。
当院で相談できる内容
- 健診結果(AST・ALTを含む肝機能項目)の見方の解説
- 追加採血(γ-GTP、肝炎ウイルス検査などを含む評価)
- 腹部エコーの実施または近隣検査機関へのご紹介
- 生活習慣・常用薬・サプリメントの整理
- 必要に応じた専門医療機関へのご紹介
- AST・ALTは肝細胞由来の酵素で、脂肪肝・アルコール・薬剤・ウイルス性肝炎などで上昇します。
- 軽度の上昇でも、原因を整理しないまま放置するのは避けたい状態です。
- 黄疸や強い倦怠感、数値が大きく上がっている場合は、再検査を待たずにご相談ください。
最終更新日:2026-04-30
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