【6〜7月に急増】咳が止まらない…初夏に多い体調不良と内科受診のすすめ
梅雨入り前後のこの季節、当院では「咳が止まらない」「だるさが続く」「お腹の調子が悪い」といった体調不良で来院される方が急増しています。気温差や湿度の変化、冷房による冷えなどが体に影響を及ぼしやすく、内科的な不調が表れやすい時期でもあります。
特に最近目立っているのが、“咳”の症状です。今回は、この時期に多い咳の原因と、受診が必要なサイン、あわせて内科で見られる他の主な体調不良について解説します。
■ この時期に急増する「咳」の原因と注意点
「風邪は治ったはずなのに咳だけが続く」「咳止めを飲んでもなかなか効かない」という相談が増えています。6〜7月の咳には、いくつかの代表的な原因があります。
1. 感染後咳嗽(かんせんごがいそう)
- 2週間以上咳が続く
- 夜間や朝方に咳が強まる
- 発熱など他の症状はすでにおさまっている
風邪が治っても気道粘膜が過敏になっており、自然に改善することもありますが、必要に応じて咳止めや吸入薬の処方が有効です。
2. アレルギー性咳嗽
- 乾いた咳で痰がほとんど出ない
- エアコンの使用で悪化
- 掃除や衣替えの後に咳が出る
アレルゲン(ハウスダスト、カビ、ダニなど)による反応です。抗アレルギー薬や吸入治療が効果的です。
3. 咳喘息(せきぜんそく)
- ゼーゼー音はないが咳が長引く
- 夜間・早朝・冷気などで誘発
気道の過敏性が高まり咳が続く状態です。放置すると喘息へ移行する恐れがあるため早期治療が必要です。
4. 胃酸逆流(逆流性食道炎)
- 横になると咳が出る
- 胸やけ、喉のつかえ感、ゲップを伴う
食道に逆流した胃酸が気道に刺激を与えます。消化器系の治療や生活習慣の見直しが必要です。
■ 咳が続くときの受診目安
以下のような場合は、早めの内科受診をおすすめします。
- 咳が2週間以上続いている
- 夜間に咳が悪化する
- 痰や発熱、息苦しさがある
- 咳とともに胃もたれや胸やけがある
当院では、胸部レントゲン・血液検査・呼吸機能検査・アレルギー検査などを組み合わせ、症状の原因に応じた治療をご提案しています。
■ 咳以外にも多い、この季節の体調不良
1. 自律神経の乱れによる不調
寒暖差や湿気、冷房により自律神経のバランスが乱れ、倦怠感・頭痛・食欲不振・めまい・不眠などの症状を訴える方が増加します。
2. 胃腸炎・食中毒
高温多湿の環境では、細菌やウイルスが繁殖しやすく、嘔吐・下痢・腹痛といった症状での受診も増えます。軽症でも脱水には注意が必要です。
3. 健診結果のフォローアップ
春に受けた健診結果が戻る時期でもあり、血糖値・血圧・肝機能・脂質異常の再評価や生活習慣の指導のために来院される方が多くなっています。
■ まとめ|咳や不調は我慢せず早めの受診を
咳は一見軽い症状に思えますが、さまざまな病態のサインであることもあります。この時期は、咳をはじめ、だるさや消化器症状、自律神経の不調などが重なりやすい季節です。
「これくらいで受診していいのかな?」と迷う場合でも、ぜひお気軽にご相談ください。当院では丁寧な問診・検査・診断を行い、皆さまの健康を支える診療を行っています。