麻疹(はしか)について知っておきたいこと

麻疹(はしか)について知っておきたいこと

皆さんは「麻疹(はしか)」という感染症をご存じでしょうか?
子どもの病気というイメージがあるかもしれませんが、実は大人がかかると重症化しやすい、非常に注意が必要な感染症です。

麻疹が全国的に増えています

ここ最近、全国的に麻疹の患者数が増加傾向にあります。特に、2024年の後半から2025年にかけて、海外からの帰国者をきっかけとした感染例が各地で報告されており、自治体によっては注意喚起が出されているところもあります。

麻疹は一人の感染者から12〜18人にうつすほど感染力が強く、空気感染もするため、ひとたび国内で広がると、集団感染が起きやすくなります。これを防ぐためには、個人個人の予防意識が非常に重要です。

麻疹とは?

麻疹は麻疹ウイルスによって引き起こされる急性のウイルス感染症です。主な感染経路は空気感染・飛沫感染・接触感染で、非常に感染力が強いため、同じ空間にいるだけで感染することがあります。

症状としては、10〜12日の潜伏期間を経て、発熱、咳、鼻水、目の充血といった風邪に似た症状から始まり、次第に39℃以上の高熱と全身の赤い発疹が現れます。特に「コプリック斑」と呼ばれる白い斑点が口腔内に出現するのが特徴です。

重症化すると肺炎や脳炎といった合併症を引き起こすことがあり、命に関わるケースもあるため注意が必要です。

有効な予防法はワクチン接種

最も有効な予防法は、ワクチンの接種です。日本では麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)を1歳と小学校入学前の計2回接種することが推奨されています。

しかし、1977年~1990年代前半に生まれた方の中には、1回しか接種していない、あるいは接種歴が不明な方も多く見られます。そのような方は、抗体検査を受けていただき、必要であれば追加接種を行うことが望ましいです。

海外渡航にもご注意を

海外では麻疹の発生が多い地域があり、そこから帰国した方を通じて国内に持ち込まれるケースもあります。渡航を予定している方や海外からの来訪者と接する機会が多い方は、ワクチン接種歴を確認し、リスクを減らすための対策を心がけましょう。

まとめ

麻疹は、正しい知識とワクチン接種によって防ぐことができる感染症です。現在のように感染が拡大している状況だからこそ、ご自身とご家族のワクチン接種歴を今一度確認し、必要に応じて抗体検査や追加接種をご検討ください。

当クリニックでは、麻疹に関するご相談、抗体検査を承っております。気になることがあれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。

Pagetop