春から夏にかけて増える感染症にご注意を
〜季節の変わり目こそ、体調管理をしっかりと〜
春から夏にかけては、気温や湿度が徐々に上がり、体調を崩しやすい季節です。この時期は、新生活や環境の変化によるストレスや睡眠不足も重なり、免疫力が低下しやすくなります。その結果、特定の感染症が流行しやすくなります。今回は、春から夏にかけて特に注意したい感染症と、その予防法についてご紹介します。
🌸春に流行しやすい感染症
1. インフルエンザ(B型)
冬の感染症というイメージが強いインフルエンザですが、B型は春先にも流行することがあります。高熱や筋肉痛、倦怠感などが主な症状です。手洗いやマスクの着用、ワクチン接種などで予防が可能です。
2. 花粉症からの副鼻腔炎
春はスギやヒノキの花粉が多く飛散する季節。花粉症が悪化すると、鼻づまりや鼻水の停滞により副鼻腔炎(蓄膿症)を引き起こすこともあります。感染性の副鼻腔炎の場合、抗菌薬が必要となる場合があります。
☀️ 夏に向けて増える感染症
1. 手足口病・ヘルパンギーナ
どちらもエンテロウイルスによる感染症で、特に乳幼児に多く見られます。手や足、口内に水疱ができたり、高熱が出たりするのが特徴です。飛沫や接触でうつるため、タオルの共有は避け、こまめな手洗いが予防に有効です。
2. 食中毒(腸管出血性大腸菌、カンピロバクターなど)
暑くなると食べ物が傷みやすくなり、細菌性の食中毒が増えます。特にO157などの腸管出血性大腸菌は重症化する恐れもあるため、生肉や加熱不足の食品には注意が必要です。食材の管理や調理時の衛生が大切です。
3. 咽頭結膜熱(プール熱)
アデノウイルスが原因で、発熱、のどの痛み、目の充血などが主な症状です。学校や保育園で流行しやすく、感染力も強いため、感染が疑われたら早めの受診をおすすめします。
🛡️ 感染予防の基本を忘れずに
- 手洗い・うがい:外出後や食事前には必ず行いましょう。石けんを使って30秒以上が目安です。
- 十分な睡眠と栄養:免疫力を保つ基本です。規則正しい生活を心がけましょう。
- 換気と湿度管理:室内の空気がこもるとウイルスが広がりやすくなります。定期的な換気も忘れずに。
季節の変わり目は、知らず知らずのうちに体に負担がかかるものです。少しでも「おかしいな」と思ったら、無理せず早めに受診してください。地域の皆さまが元気に春夏を過ごせるよう、当クリニックでもサポートしてまいります。